My important place【D.Gray-man】
第37章 6/6Birthday(番外編)
―6月1日―
「…あ」
ふと自室の壁にかかったカレンダーを捲りながら、それを思い出して声が思わず漏れた。
今日から6月。
6月に特別な行事なんて特に何もないんだけど…
「6日…だったっけ」
私には大いに関心のある出来事がある。
6月6日。
それは──…神田の誕生日。
「……」
……じゃ、なくて。
…ゅ……ユウ、の、誕生日。
「…違和感が半端ない…」
最近呼び出した名前は、未だに慣れない。
脳内で呼んだだけでも若干照れ臭さが残る。
ラビがよくこの名を呼んでは…ユウにガン飛ばされてたの、知ってるからなぁ。
だから未だに呼ぶ時、ちょっと構えてしまうんだと思う。
私も怒られやしないかってヒヤヒヤする。
…呼べって言ってくれたのは、ユウだけど。
兎にも角にも、6月6日はそんなユウの誕生日だった。
「…偽造された、だけど」
ユウの体のことを調べた時に知った、その情報。
表向きは誕生日とされているけど、それは偽造された情報。
…本当は被験体"YU"として生まれた日。
「……」
そんな日を安易に「おめでとう」なんて言えない。
YUとして生まれたことが、果たしてユウにとって良いことなのかどうか。それはわからないけど…ALMAのことを思えば簡単にお祝いしていいこととは思えなかったから。
「…どうしよ」
でも…それでもユウの誕生日だから。
……祝ってあげたいな。