• テキストサイズ

My important place【D.Gray-man】

第24章 3/14Whiteday



「あれ、イノセンスじゃなかったのかい?」

「ええ。人魂の原因はただの夜光虫だったわ」

「そっか~残念」


 結局イノセンスと疑われた謎の怪奇現象は、拍子抜け過ぎる正体だった。
 おかげで空が薄暗くなる頃には教団に戻って来られた。
 指令室の中、苦笑混じりに報告するリナの隣に形だけでもとりあえずついておく。

 つーかいくらシスコンだからって任務が優し過ぎんだろ。
 こんな任務にエクソシスト二人も要らねぇよ。
 AKUMA討伐の時は、俺と月城の二人だけで容赦なく狩り出す癖に。


「何かな? 神田くん。その顔、怖いんだけどな~」


 思わずコムイを睨んでしまっていたが、向けられた本人は白々しく笑うばかり。
 コムイのこういうところが嫌いだ。


「…別に」


 まぁ今回は軽い任務のおかげで、早めに帰れたから文句はない。
 これならすぐに月城の様子を見に行ける。


「任務報告は済んだ。俺は休む」

「あ、神田っ」


 話を終えたタイミングで踵を返して足早に司令室を出ようとすれば、リナに呼び止められた。


「私、明日雪のお見舞いに行くから」


 軽く俺の肩を叩いて、軽やかなウィンクをしてくる。
 任務中、頻 (しき)りに月城の心配をしていた癖に、ここであいつの所に向かわないところといい、胡散臭い瞬きといい。どうやら俺に譲ると言いたいらしい。

 コムイとリナのこういう見透かしてくる感じはいけ好かない。
 この兄妹のこういうところが、どうにも苦手だ。











/ 2655ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp