第44章 水魚の詩(うた)

感じてんのは別に悪いことじゃねぇだろ。
なのになんだ、その悪いことがバレたような顔。
なんとなく気に入らない。



「ぁ…ッ！」



だから素直な体の方に、応えてやることにした。

解れて蕩けた秘部から舌を抜いて、さっきから視界にチラついていた陰核に口元を寄せる。
指先で肌を押し広げれば、既に硬く主張している突起が被っていた皮から芽を出す。
無防備に晒されたそこに舌を這わせれば、途端に雪の体が大きく跳ねた。



「や、だめ…ッそれ…！」



その"だめ"ってのは"イイ"って意味だろ。
本当、口は素直じゃねぇな。

跳ねる体を押さえ込んだまま、丸裸の陰核を唇で覆って吸い付く。
舌先で抉るように下から擦り上げれば、



「んん…っ！」



びくんと一層大きく跳ねる体。
焦らしに焦らした責めで溜まってたんだろう、簡単に達したのを見計らって、まだ責めていたい欲を押しとどめて口を離した。



「本当、ここ責められるの好きだよな」

「ッ…そんなこと、」



充血した小さな突起の芽。
そこを弄れば雪は途端に快楽に溺れる。
無理矢理快楽に掻き回されてるようにも見えるが、俺は嫌いじゃない。
…いや、寧ろ好きな方だ。
欲望に対して意地を張る雪が、素直に感じてる様はいくらだって見ていたい。



「…嫌いじゃない、だけ」



…だから、そういう所が意地っ張りなんだよ。



「意地っ張り」

「…ユウには、言われたくない…です」

「そうかよ」



こそこそと小声で抵抗してくる雪は、呆れもするが"らしさ"に口元はつい緩む。
なんだかんだ、そういう雪も嫌いじゃないらしい。

なら仕方ない。
やることは一つ。



「ん…っ」

「じゃあ教えてやる」



俺が親切に導いてやるよ。



「お前が好きな所」



お前が、快楽に溺れられるように。