【進撃の巨人】 never ending dream R18
第27章 永久に碧く~願い~
850年
「ねぇ、ミケ。
本当にあの子達の中に…“アニ・レオンハート”の共謀者が?」
「さぁ、どうだろうな。
だが…無視出来る確率ではない。」
ウォール・ローゼ南方にある調査兵団本部。
…そこからわずかに西へ進んだ場所にある調査兵団の施設。
そこには今朝から、巨人化の力を持つ少年、エレン・イェーガーの同期である104期生の新兵達が集められていた。
ミケとナナバは建物の屋上に登り、辺りを見渡す。
乗馬のためだけにつくられた施設だけあり、周りには草原が広がっている。
逃亡者がいればすぐに拘束出来る環境。
団長であるサラが思いつきそうな事だと、ミケはフッと鼻を鳴らしながら笑った。
数日前に行われた壁外調査では、カラネス区を出発した直後、調査兵団一行を女型の巨人が襲った。
100人余りの兵士達の命を奪い、逃走した女型の巨人。
その巨人の正体が、エレンと同期の104期生であり、現在憲兵団所属の新兵、“アニ・レオンハート”ではないかとの説が浮上した。
1ヶ月前、ハンジの指揮のもと生態調査を行っていた2体の巨人が何者かによって殺された事件も、“アニ・レオンハート”とその共謀者の犯行と推測される。
今朝、エレンの身柄を憲兵団へと引き渡すため、団長であるサラとリヴァイは王都へと向かった。
その際、ウォール・シーナの東城壁都市、ストヘス区を通る。
そこには女型の巨人と思われる“アニ・レオンハート”が憲兵団として配属されていた。
ストヘス区内でエレンをおとりに使い、彼女を拘束する。
成功すれば一気に状況が好転するであろう、最後の賭けだ。
その間に、この調査兵団の施設に軟禁している104期生の新兵達の中から、“アニ・レオンハート”の共謀者を見つけ出し、拘束する事。
それが分隊長であるミケ、ナナバへと与えられた使命だった。