第11章 五里霧中
「…どうかしたか?」
ゲンマさんに言われてから自分が彼をガン見していたということに気づいた。
ゲンマさんからこんな風に自然と声をかけられるのは初めてな気がして驚いたけど、これはわざわざいうことではないだろう。
「いえ、なんでも。」
そう思い笑って誤魔化すと少し納得いかなそうな顔をしながらも「そうか。」とだけ言った。
ライドウさんと一緒にいるからかな。
少し普段よりも雰囲気が柔らかく感じる。
正直この人は苦手だ。
第一印象が第一印象だったこともあり、お互いよく思ってないのはきっと確かで。遠目で目があってもそらしそらされといった感じだ。以前サスケくんを連れながら会った時もお互い視線はあわせなかった。
だからこうして面と向かって、目を見て挨拶するのは初めてかもしれない。
……もしかして先日の話で同情されてる?