青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第19章 蓋をした
この気持ちに気づいたと同時に、突きつけられる現実。
劉と私は国籍が違う。
劉が留学生。
いつかは国へ帰らないといけない。
いつかは離れないといけない、ってことが目に見えてるのに…私にどうしろって言うの。
「劉はモテるからね。早くしないと、誰かに獲られてしまうかもしれないな」
「うっさいな…もう…」
「氷室ーいつまで話してるアル。練習始めないアルかー?」
早く素直になれ。と言いたいんだろう。
しつこく言ってくる氷室に、悪態をつき始めた頃。
氷室は劉に呼ばれた。
「ああ、今行くよ」
劉に呼ばれた氷室は、私に笑い掛けて練習を始めてしまった。
「…分かってるよ。そんなことくらい」
氷室に言われなくたって、痛いほど分かってるんだよ。
でも…でもさ?
どうしたらいいワケ?
好きだって気づいても、今更どうにもならないんだよ?
まぁ…この場合、いつ気づいても同じ壁にぶち当たるんだけども。