青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第3章 キライだ
気にするに決まってんじゃん!!
人の傷を抉るようなことばっか言ってくれてさ!!
マジで何様なわけ!?
「んー……じゃあ、ごめんね」
「…………は?」
え?今何つった?
「俺、昔から何でも正直に言い過ぎだって赤ちんと黒ちんに怒られてたんだけど…つい言っちゃった」
「ついって…」
てか、赤ちん?黒ちん?誰それ。
それに正直に、って。
そっちの方が腹立つわ。
「さっちんがさ、枝ちんは凄い人だって言ってたんだ。『この私ですらあの人のいるチームからは情報を集めきれない』って言ってたし」
今度はさっちん?
さっきから誰だよ、オイ。
「枝ちんって、情報隠すの得意なの?」
「……」
私の能力、ってほどじゃないけど。
帝光の藍川が身体管理、桃井が情報収集を得意としてるんなら、私は選手育成とその情報操作が得意だ。
だけど、それも結局あの二人には効かなかった。
最終的には見破られたし、そのまま成す術もなく負けた。
「…私は、アンタらが憎い」
こういうの、負け犬の遠吠えって言うんだろうな。
「ずっと天才マネージャーとして注目されてたのは私だった。なのに、アンタらが…藍川と桃井が現れてから、私は影に埋もれていったし、最終的にはチームからの信頼もなくなって…居場所がなくなった。私から全てを奪ったアンタらが本当に憎くて憎くて仕方ない」
「そっか」
「負け犬とでも言って笑いなよ」
「…俺と枝ちんは似てるね」
「は?」
紫原の意外な言葉に、私は目を見開いた。