青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第10章 奪われた
だが、ここで誤算が起きた。
『キセキの世代』だ。
突如として現れた天才バスケット選手たち。
そして、私を遥かに上回る才能を持つマネージャー。
元々強豪だった帝光中学校に…彼らは集まった。
周りのチームは成す術もないほどで、当然の如く、帝光は中学バスケ界の頂点に君臨していた。
いつの間にか。
『五将』にも私にも『無冠』という、何とも言えない称号が与えられていた。
それでも私は諦めなかった。
いつかきっと。
このチームなら勝つことができるんじゃないか。
その日まで、私はただチームを支えるだけ。
ただただ、その一心だった。
そして二年前。
引退を迎える最後の全中。
私たちはついにその頂を垣間見た。
決勝戦。相手はあの帝光中。
前半は私が情報操作したことによって、桃井を錯乱させ、こちらがリードする形で終えた。
『キセキの世代』だろうが、その天才マネージャーだろうが関係ない。
私はこの『女王』の名に懸けて、頂点に立ってみせる。