第8章 しょぼくれ彼氏の慰め方【木兎光太郎】
【赤葦】
“しょぼくれモード”に入った木兎さんは正直面倒くさい。
美咲さんがいるから直ぐに復活するし、どうにかなるけど、美咲さんがいない日に入られると本当に面倒くさい。
合宿の練習試合にも一区切りつき皆が休憩に入る中1人まだ不機嫌な木兎さんに一つ仕掛けてみた。
美咲さんの肩にわざと腕を回し歩き始めた。
「光ちゃん……」
彼女である美咲さんはもちろん木兎さんを心配するわけで、木兎さんも木兎さんで……
「美咲~~!!」
「きゃあ!!」
走ってきた木兎さんは美咲さんめがけ抱き付き、ギリギリで木兎さんから逃れる。
「美咲!あかーしとイチャイチャはダメ!俺とイチャイチャして!構って~!」
「ちょっ!光ちゃん!離れて!皆見てるから!」
「イヤだ!」
「暑いから離れて!」
「ヤダヤダヤダ~!」
子供か…
「木兎さん、俺は先に行きます。美咲さん、木兎さんを頼みます」
「ちょっ!!赤葦くん!?」
こうなった木兎さんはもう俺の手には負えない。
後は頼みます。