• テキストサイズ

~ファインダーの向こう側~【黒子のバスケ☆黄瀬】

第6章 練習試合“これが、黄瀬涼太”


[美空]



「で、なんで広瀬も一緒なのよ…。」


屋上で約束した日から、一週間。ついに、バスケ部の練習試合の日。

私は、撮影機材を体育館の2階席に運んでいた。


「なんでって、お前の我が儘で、バスケ部だけの特別号外出すことになったんだろ。
記事書くために、見に来たに決まってんじゃん。」

「…我が儘って……」


広瀬の言ってることに多少の引っ掛かりを感じながらも、否定はしない。

この前の写真の黄瀬くんを、“黄瀬涼太”として全校生徒に、見せるわけにはいかなかった。

私は、取材用の一眼レフを取りだし、撮影の用意を始める。


「…お前、練習試合に何台カメラ持ってきてんだよ。」

「え?撮影用は2台。プライベート用は鞄の中に1台あるけど、こっちは今日は使わないよ?」


そう言いながら2台のカメラに大口径の明るいレンズと、200mmの望遠レンズを装着する。
300mmの望遠レンズもすぐ取り付け出来るように、カメラケースの定位置に固定した。


「…俺が言いたいのは、そこじゃないんだけど…。ま、いいや。それより、練習試合、ハーフコートでやんのかな?」

「…そうかもね。」


私はカメラを準備していた手を止めて、コートを見渡した。明らかに、体育館の半分しか、空けていない。


「練習試合って、こんな小規模なもんなの?」

「さぁ?」


私は、試合に向けて準備体操をしている、選手たちをパシャリと撮った。

/ 191ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp