第7章 渾身の一発
「ねぇ、いいでしょ? 絶対秘密にするから!!」
そこにあったものは――床に座りながらウサギの置物に向かって話しているギャリーの姿だった。
「……ギャリー?」
「えー!? そんな事があったの!? 落ち込んじゃダメよ! そんなヤツは一発殴ってやるといいわ!」
私が話かけてもギャリーはまだウサギと話していた。
「……ねぇ、イヴ。これギャリーじゃないよ。本物だったらこんな所にいないと思うし……ってイヴ?」
私は無言でギャリーの前に立ち、もう一度名前を呼ぶ。
「ギャリー」
「そうよ! 今度連れて来なさい! アタシがぶっ飛ばしてあげる!!」
「イヴ、どうしたの?」
メアリーの質問には答えず、私は右手を握り、大きく振り上げ――
ベシィ!!
良い音を響かせながら、ギャリーの顔面に右ストレートをお見舞いした。