第5章 ◆休暇の後
「 ふむふむ、なるほど。
アクマ2体の出現とその伐採、ね。」
室長室で
書類に埋め尽くされた恐らく机の向こう
そこに座り、辛うじて作られたような
小さなスペースに机からはみ出た書類を
走書きに書き留めて行くコムイ。
「 で、君たちのデート中に
アクマが襲ったんだね。
はいはい、
じゃあ後はファインダーに回しておくよ。
報告ご苦労さま。」
口早に話し、書き留めた書類をまとめて
手早くファイリングすると
ファインダーに回す書類棚と思われる所に
サッと仕舞う。
「 で、本題だけど・・・」
そして、真剣な眼差しで問い直すコムイ。
「 ・・・?」
ー・・・本題?
しれっと話し始めたコムイだが
俺には引っかかった。
本題って・・・
いや、本題が報告なんだけど。
寧ろ、報告以外の本題って何さ?
謎の言葉に俺が頭を捻らせていると
コムイが切れ長のメガネを光らせた。
「 アクマが襲ってきた所
ラビが助けたんだよね?サラを。
その、
正義のヒーローのような形で。」
「 ・・・。」
何を真剣に話すかと思えば
コムイの眼差しは俺とサラを交互に見ながら
その口角は徐々に上がっている。
「 そうです!
カッコ良かったです、ラビ!」
「 ・・・」
今まで黙って俺の報告を聴いていたサラからも
発砲のように飛び出すセリフ。
・・・まさか。
「 良かったねー、サラちゃん。」
・・・まさか。
「 もう、録画したいくらいでしたよー。」
・・・まさか、まさか。
「 良かったねー、
これで一緒に任務遂行出来るね!」
ビシッと親指をおっ立てて何度も頷くコムイ。
「 〝たまったま〟アクマが出現して
しかも、ラビが助けてくれるなんて
映画みたいだなー。本当〝たまたま〟ね!」
やっぱ
・・・コムイの仕業かよ!!