第35章 Holic Date.
もにもにもまれて胸が手の中で形を変える。
「お風呂入ります?」
聞けば血走った目をして矢巾先輩は首を振る。
抱きついてキスした。
あやす様にちゅうちゅう吸い付き開いた唇に自分から舌をねじ込む。
口の中はあったかくて安らぐ。
私の舌と先輩の舌が絡み唇が何度も触れ合う。
しばらくそうしていたが唇を離して一息つく。
矢巾先輩の顔は真剣そうだが私は今一そんな顔ができず笑ってしまう。
そんな私に彼は困り顔になる。
一一こういう時、私は普段どんな顔をしているのだろう?
数ヶ月前ならば間違いなく泣きそうな表情だっただろうが今はどうかな?
今は…嫌じゃないし、怖くもない。
「吸います?」
髪をかき上げて首を見せる。
「うん」
云って先輩は私の肩を掴む。
頭が私の首にすり寄り肌を妙に冷たい舌がスルリと撫でる。