第33章 Friend Date.
中はうっすら煙草のにおいがして少し熱い。
マフラーを外してコートのえりに絡む髪を払う。
少し冷たい風が入ってふぅ、と思わず息がもれた。
「何する?」
国見くんが顔を近づけて聞いてくる。
頷いてコイン両替機を指さす。
一一小銭をコインに換えてそれを持ってゲーム機の前に座る。
「ね、勝負しよ?コイン先になくなった方が負け。勝ったら何でも相手の言う事を聞く、ナンテ、どう?」
云うと国見くんは目を細めた。
だめかなー。
まだ不機嫌なんだろうか。
「何でも?」
「うん」
答えると一瞬国見くんの視線がゆれた。
んー、見なかった事にしよう…。
「いいよ」
「じゃ、がんばろう!」
コインの入ったプラケースをお互い筐体に置いてゲームスタート。