第31章 Birthday Date.
「何で?」
松川先輩はどうやら私の震える理由を察したらしい。
腕を突っ張ってみるけれど男性の力は強くてかなわない。
…………あぅ(TT)
「お、しっこ、したいから離して」
そう。
冷たい風に下から吹かれて…もよおしてしまったのだ。
「ね、きけるお願いならば聞いてくれるんだよね?」
幾分か腕の力をゆるめて松川先輩。
それ今じゃなきゃだめかな?!
「ここで、して見せて」
は、はいいいい?!
松川先輩は私を離してすぐ下の海を指さす。
え、ちょ、まっ…………やるか。
「離れて」
私がぶっきらぼうに云えば大人っぽい松川先輩がくしゃっと笑う。
か、可愛いし嬉しそうでやってあげたくなるんだけど、流石に…。
でも風が冷たくて長くはもちそうにない。
周りに人影はないし、やろう。