第31章 Birthday Date.
「松川先輩は私が欲しくないですか?」
私はお水を飲みながら問う。
「んー…くない、といえば嘘だな。お前の血はよく馴染むし…でも見てて分かるら?俺争って奪い取るみたいな熱いノリ苦手」
松川先輩は水滴の浮いたグラスに指で何か描きながら云う。
そ、そうか。
欲しくないワケじゃないのか。
な、何か恥ずかしいし照れる。
さっきのキスを思い出す。
ただ触れるみたいな優しい感じじゃなくて…感触を確かめるみたいに押し付けられた唇の熱さが頭の中で揺れる。
ふわぁ、顔が、又、熱い…。
「木原はどうなん」
「え?」
問い返したタイミングで品物が運ばれてきて会話は途切れた。
で、食べ終わり次第二人で外に出て一一。
「これからどうしますか?」
「海、行こう」
「は、はい」
う、海???