第22章 好きで嫌い-パンジャ-
いつもみたいに…。
でも、だめ!
私は岩泉先輩の彼女になったんだから…ソウイウ、その…本番?だけは…だめ、だと思うから。
「はーい、おしまいっ」
強引にしてくるんじゃないかと思ったのに、アッサリ及川先輩の熱が離れた。
「えっ?!」
思わず声を上げると及川先輩がクスクス笑う。
「あ、期待してた?」
「ち、違います」
ぶんぶん首をふる。
「はい、みんな離れて」
及川先輩が云い、私を包んでいたきくの二人の温もりが離れた。
「木原さん…」
渡先輩は名残惜しそうに最後に一度キスしてくれる。
「飛雄、勝手にきて勝手に黙りながらキレるとかほんとお前自分勝手ね」
どうやらトビオちゃんは又怖い顔をしているらしい。