第2章 第1章 残酷な世界
「ねぇ、聞いた?」
私の町...いや、日本全体の人々が恐れる者がいる。
「聞いた、聞いた。鬼獅でしょ?」
その者の通り名は鬼獅ーきしー
「隣町の族、また潰したらしいよ」
族を潰して潰して潰しまくる姿が
「怖いよね。」
まるで鬼のようだと...
「でも、どこの族にも属してないんでしょ?」
まるで獅子のようだと...
「そこが謎だよね。」
そして、
「違う、鬼獅の存在自体が謎よ。」
たくさんの人々に騒がれる、一番の理由...
「噂だと、片目がないらしいけど...」
そう、片目がない。
ないはずなのに、強い。
それが一番の理由。