第1章 出会い
入隊試験がある1月8日まで、約3週間後
それに向けて、特訓に入るわけなのだが…
迅「その前に…
あいつの戦い方、見てみるか?」
A級全てを倒した時の映像を見ることにした…
遊真「へえ。この映像って何年前の?」
迅「んーと
15歳でS級認定されると同時に、うちに入ってきたから
今から9年1か月ぐらい前だな」
遊真「俺たちと同い年の時か」
三雲「それまでは一体?」
迅「んーと…そうだな。
あいつの過去、勝手に話していいかは解らないけど…」
宇佐美「結構重いんだよね;(汗」
迅「今話したら昼ドラだな^^;」
レイジ「先に話してから、特訓に入るか。
そんなに時間はかからないだろ?」
迅「…まあな。
じゃあ、あいつの話を始めるとするかな…
今から16年9か月ほど前
恵土の故郷だった村が、人ごと全てを奪われた。
弱冠8歳の誕生日、3月20日の晩の出来事だった。
いきなり、ゲートが開いて
村に住んでいる者全てを、全員殺されて
トリオンだけを摘出されて、持ってかれたらしい。
残されたのは、ただの瓦礫と
横たわる、血にまみれた死体の山だった…
その当時、恵土自身にとっては
その村以外には、人との親交はなく
その人たちだけが、建物だけが…
恵土にとっての全てで、世界そのものだった…
そして、無数に残されていたトリオン兵が
生き残っている恵土へと襲い掛かってきた…
それから…ボーダーが駆けつける
3月22日の明け方まで、たった一人で勝ち抜き続けたんだ…
サイドエフェクト
あいつの場合は、第六感の超感覚Sクラスだな。
それを、幼い頃から持っている上に
凄いトリオン量を持っていた
そのせいで来たって、サイドエフェクトで解ってる…
だから、未だに自身を責めてる…
それでも、そいつらが襲い掛かってきていて…
親戚…友達…家族…隣人…知り合い…
それら全てを奪ったことによる血を被っていて…
ぶち切れちまったらしい…
それからは…
瞳孔を開かせて、眼を血走らせながら
トリオン体には、容赦なく襲い掛かり続けていた…
トリオン体かどうかぐらいは
自身の持つサイドエフェクトで見抜けていたからな」