第35章 護るべきもの
そんな中、歌うとか話すしか動きを見せずにいた恵土が
風間の肩に手を触れる
風間「?」
恵土「あっはっはっ^^
楽しいって言えよ。楽しいだろ?(ゆさゆさ)
最高な気分だろ?嬉しいだろ?
よかった、嬉しい最高だ~^^」
尋ねるごとに逆に揺する中
無言の肯定だと思って、最後に肩を組み
恵土「皆は言うさ♪
不真面目、お気楽♪
いい気味、ざまあ♪
あっはっはっはっはっはっはっ!^^」
再び歌いだし、笑い出す姿に…
ある出来事(1107~1114ページ参照)が
脳裏に浮かび、その真意をようやく理解した。
言葉にして
人のことを、ああだこうだと言えて語っていても
その過去によるものがどういうことを表わし
現在にどう影響を受けて、行動に現われることになるのか…
それらが、ありありと目の前にあり
否が応でも理解させられた。
風間「そうか…
感情が蘇ってしまったから、その分精神が…
破綻(はたん)してしまったのか)
しっかりしてください!!
たとえあなたがあなたを悪いと言おうが!
誰かに悪いと責め立てられようが
そんなあなたのおかげで
小南も救われた!木崎も救われた!!俺も太刀川も迅も救われた!!!
あなたに救われた人がここに居る!!
すぐ隣に、あなたの傍に居ます!!!
だから…
だから…!
(こういう時、俺はどうしたらいい!?」
そう思い、目に涙をにじませながら目を瞑り
すぐいつも通りに戻せない無力感に、拳を握り締める中
いつも、しんどい時や辛い時
いつでも寄り添って、抱き締めてくれた。
頭を撫でたり、笑いかけて
いつだって、大事にしてくれていた…
その想い出が、辛い出来事があっても救ってくれた。
そんな日常が、脳裏によぎった…
それと同時に、風間は自身に何ができるか
今、自分が恵土にできることは何なのかを解った気がした…
風間「もう、大丈夫です(ぎゅう)
俺が、隣に居ます。
正気に戻っても、戻らなくても俺がずっといます。
護りますから…
全部、ぶつけて下さい」
そう言いながら抱き締め、頭を撫でだした。
少しでもいいから、助けになりたい。
その、昔から変わらぬ想いと共に…