第16章 審神者の帰還

お次は、ネトゲマジックの話をしようかな?

ネトゲマジック、それは魅力的なゲームのアバターを使うことで起こる一種の魔法さ。
人は、そういう魅力的な異性の相棒が欲しい、そう思うんだ。
だから、相棒が出来て、距離も近くなる。
――まぁ、僕とエルはそんな関係じゃないよ?

まぁ、そういう感じで仲良くなっても、リアルで会っちゃうとそのネトゲマジックが消えることがある。
なんて言えばいいかな?
急に相手と接近し、近い仲になれる。
それが、ネトゲマジック。
友情に働きかけるから、皆喜んでそのネトゲマジックにかかりたくて、ネトゲをする。
――でもね、それが恋に働いて悪い結果になることもあるよ。

僕は、とあるバイオリン美少女と友達だった。
もちろん、ネット友達だよ?
その子は、ある日結婚したんだ。
18歳っていうまだ美しい時期にね。
で、相手はゲーム内の仲間である30歳以上のおっさん。
周りの皆は止めたよ。
でも、そのバイオリン美少女は周りの反対を押し切って、結婚。
そして、そのバイオリン美少女が26歳になった頃に離婚。
もう、美しい頃は終わった。
子供は居なかったから助かったけど、すぐに結婚相手を見つけることもできず、元々恋は、ネトゲの恋が初めてだったから、彼女は結婚することを諦めて、今では悲しい独身貴族。

僕は、今でも相手の男ともバイオリン美少女とも友達だよ?
でも、相手の男はすぐに若い女の子を見つけて、結婚して、子供まで作ってる。
――なんていうかこういうネトゲマジックにかかっちゃう恋って、不幸で終わることが多い。

それに、僕らは年を取らない刀剣。
極力、人間とは親しくならないほうがいいのさ。
って理由で、やっぱり外の女の子を加入させることは却下。
姉さんだったら、喜んで加入するだろう。
――でもさ、姉さんって恋愛脳だし、絶対問題を起こすぞ?