第9章 Battle9 VRMMOだからこそ、伝わる温度差
「あぁ、主様だったんですか……」
「そうなんですよ、名前さん」
どうして、一期さんはこんな名前……、じゃなくてキャラ名にしたんだか。
本当にややこしい人だ。
「あぁ、それが……、『名前を入力してください』と言われたもので……」
「だから、名前って名前に?」
「申し訳ない」
「いち兄ってば、ドジー!!」
最終確認だってあったろうに。
何やってんだ、このお兄さんは。
「そ、そうだ。私達も、説明書を読んでこのゲームを始めまして……、是非、五虎退に会って頂きたいのです」
「五虎ちゃん、来てるんだ!?」
「はい、会いたがっておりました」
名前さんの笑い方は、やっぱり一期さんだ。
なんか、笑顔にロイヤル感が漂ってる。
よくわかんないけど、上品な感じかな?
「五虎ちゃん、外に居るのかな……?」
五虎ちゃん、本物に会いたいなぁ。
色白だし、可愛いよね!
「私の準備が終わりましたら、行きましょう」
「いち兄ー、早くねー!」
乱ちゃんの服は、藍色のドレスッポイローブ。
いかにも、魔女って感じの服。
「乱ちゃん、マジシャンにしたの?」
「うん、綺麗な光を出してたから、やってみたいなって!」
「へぇー、そうなんだ。一期さんは、何にしたの?」
「いち兄は、シーフだよ!」
シ、シーフ! あの、究極の対人特化職……!?
居てくれると、後々ありがたいな。
みっちゃんがクリエイターやってくれたし、思ったより充実してるよね?