第7章 Battle7 神かくしの前兆?
普通の25mプールはあるものの、勝手にウォータースライダーをつけられてしまった。
これが、始まりだった。
私の弟は、暴走するように、シーガイヤを完成させた。
かと思えば、仕事先で見かけたアトラクションプールを作った。
次は巨大温泉プール計画を立てた。
正直、年に1回しか使わない施設を強化していくのも、どうかと思う。
っていうより、アスレチックプールなんて、設立からはや2年になるけど、家族は誰も使ってないよね?
後それと、温泉プールはつい一週間前に完成した。
もうひとつ付け加えれば、作った張本人は仕事が忙しいため、シーガイヤ含めての使用回数は片手で数えるくらいだ。
それも、10年前に完成したシロモノだ。
こんな感じで、人里離れたリゾート地に建てた我が家は、一つの観光地みたいになっている。
実際に、市の役人が一般公開をしてくれないか、と頭を下げに来たこともある。
でも、弟が許可をしないから断る結果になった。
今でも、時々連絡が来る。
しかし、公開できない理由があった。
それは、このプールは、うちの家族が経営する会社と契約してくれた企業への接待用に開放されているからだ。
セレブだけ使えるようにしているから、意味があるのだ。
それを、一般公開してしまえば、一気に高級感や特別感が失われてしまう。