pieces.~海の悪魔の化身~(ONEPIECE)
第11章 2年間
ゾロは、ミホークの前で頭を下げていた。
どんなに罵られようと決してやめようとはせず頭を下げ続けた。
「…ヒヒなら倒した、後はお前の首だけだ」
「…!」
ゾロの居る床を見ればポタリと血が滴り落ちている。
覚悟を、決意を感じ取ったミホークは豪快に笑った。
そして、剣を教える事を承諾する。
話がまとまったところでゾロは珍しく自ら医務室を訪れていた。
手当ては先程ベローナから受けていた、しかしいつもその回りで呆れながら笑う彼女の顔を見ていない。
「お前だって、無茶してんじゃねェか…」
医務室のベッドで静かに眠るの顔を見つめ、ボソリと呟いた。
コイツをここまで動かす原動力がルフィの兄、エースだって事はもう何となくわかる。
それを考えると少しゾロの胸の奥がざわついた。
エースの最期がどんな様子だったか、ゾロは知らない。
だが、の話と新聞から知った内容を聞けば壮絶なものだったのだろう。
それでも、ゾロは思う。
「大事な女を…一人にしてんじゃねェよ」
ベッドの端に腰を降ろすとゾロはそっとの目に掛かっていた前髪を払う。
紅い髪の間から現れる白い綺麗な顔に思わず見入ってしまう。
そのまま吸い込まれるようにゾロは顔を近付けた。
その時だった。
ガチャリと扉の開く音がしてゾロは体を強張らせた。
そこに現れたのはの様子を見に来たベローナだった。
「あ?ロロノアも此処にいたのかよ」
「………おう」
「………?」
「……何だよ」
「ロロノア!てめェまさか!!の寝込み襲ってやがったのか!?」
「バッ…!!馬鹿野郎!!んなワケあるか!!」
ベローナからの鋭い指摘にゾロの声も思わず大きくなっていた。
「ん………」
二人の大きな声に眠っていたの体がもぞりと動く。
そしてその大きな瞳をゆっくりと開けた。
「!目ェ覚ましたのか!」
「ベローナ…、ゾロ…?」
目を覚ましたを確認するとゾロは座っていたベッドから立ち上がる。
「大丈夫か?!傷だらけだったんだぞ!」
ゾロが離れたのを見てベローナがに駆け寄る。
そしてミホークが此処に連れてきた経緯をに話した。