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【黒バス】今夜もアイシテル
第44章 フェスティバル
空高く馬肥ゆる秋。
時節の挨拶として用いられるその言葉を、その本来の意味を含めて知っている確率は限りなくゼロに近い。
黄瀬涼太
勉強はちょっと苦手な高校三年生。
「いい天気っスね」
高く澄みわたる空を見上げた金の髪が、涼しさを増した風にサラサラと靡く。
今日も、うっとりと注がれる視線に表面的な笑みを返すと、黄瀬は『海常祭』と大きく掲げられた門の下を軽やかにくぐった。
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