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【黒バス】今夜もアイシテル

第23章 ガーディアン



「マネージャーさん、ですか?」

スポーツドリンクを大量に作っているジャージ姿を、そう勘違いしてしまうのも無理はない。

硬い表情で話しかけてきたのは、海常の制服を着た一人の女子生徒。

昼から行われる練習試合の応援に、すでに体育館に押し寄せている大勢の女子生徒の一人だろうか。

(黄瀬さんのファン……って感じでもなさそうなんだけど)

その大人しそうな印象に、結は小さく首を傾げた。

「えっと、お手伝いしているだけでマネージャーという訳ではないんですけど……どうかしましたか?」

「実は……」





海常高校は、ほとんどの運動部に全国大会の出場経験があるというほどスポーツに力を入れており、その敷地はかなりの広さを有している。

「この校舎、ですか?体育館から一番離れてますね。こんな所にどうして……」

友達が腹痛で動けなくなってしまって……と青い顔をした女子生徒に案内されるまま、たどり着いた建物の裏。

そこには確かに地面に座り込む女の子の姿があった。

だが、そばに立つふたつの大きな人影に、ジャリと足を止めた結の隣から「ご、ごめんなさいっ!」と走り去る女子生徒。

その声に振り向いた男達が、ゆっくりと近付いてくる。

「うまく呼び出せたみたいじゃん。へぇ、これがキセリョの女?」

「マジか?ただのガキじゃん。何かの間違いなんじゃねぇの?」

基本、敷地に入れるのは在校生だけで、部外者は立ち入り禁止のはず。

だが、不審者の侵入を防ぐため、正門に立つ警備員の目をかいくぐることは、それほど難しくはないようだ。

人並み以上の容姿を自覚しているのか、あか抜けたファッションを身に纏う彼らを不審者と呼べるかどうかは疑問だが。

その整った顔でニヤニヤと薄ら笑いを浮かべる男達の後ろで、ゆらりと立ち上がったシルエット。

「このオンナよ、間違いない。ちょっと痛い目みせてやってくれない?」







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