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モノグラム

第32章 見つかる




 今、楽に動けるのは私しかいない

そう思い返事をした


「分かりました.....」


私は言われた通りにレジに動いて行くと

彼らは私の後ろを安田さんを抱えて

進んでいった





そしてレジに行くと

彼とマネージャーは先に店を出てしまった



私は頼まれたように

領収書をもらい

私がやっと店を出た時には

店の前には誰もいなかった




私は驚いた

そして、この場所に一人残された事に

不安になった

その場に立ち尽くしていたのだが

彼の車に行けばいいと思い

停めていた駐車場に足を進めていると


私の後ろから足音が聞こえてきた

振り返ると彼が走って来ていたのだ


大倉「ごめん

マネージャーの車に連れて行ってたから」



私は、彼を待つために足を止めた



「いいえ、大丈夫でしたか?」



大倉「あとは、アイツに任す....」


そう言うと私の傍に来た途端に

手を握ってきた

その手の温かさに、私はホッとした



「そうですか....」



私は俯いた返事をした

すると、彼は握っている手に力を入れると



大倉「な~んも、心配せんでええの」



そう私に微笑んでくれたのだ



でも

マネージャーにバレてしまった事が

不安だった

その事を口にすることすら不安になるので

私は何も言わなかった


だけど彼の言葉は信じていた



大倉「時間なくなったけどさぁ

帰りの道はちょっと遠回りして

ドライブしてええ?」


彼は、嬉しそうに言った顔に

心が切なくなっていた



「そうですね....」


私の心には

もしかしたら

これから嵐になるかも知れない

だから

今を楽しもうと思っていたのだ



彼のマネージャーが知って

このまま終わってくれるわけはない

それを思うと頭は痛かったが


彼の手の温もりだけは信じようと

必死で自分の心を

強く持とうとしていたのだった



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