第67章 本音
これは彼の本音だと思った
私はどんなに辛くても
彼の気持ちを
聞かなければならないのだ
大倉「俺は、アンタが思ってるほど
大きい男ちゃうし・・・」
彼は少し苦笑いをして俯いた
大倉「嫉妬だってする・・・・」
彼が手にしていたハンドルを
力を入れて握った
大倉「俺は、ずっと死んだ男に
嫉妬しとかなアカンのかなぁ・・・」
私はその言葉を聞いて
彼を強く抱きしめた
大倉「・・・俺かて
辛いんやで・・・・」
抱きしめられて彼はボッソと呟いた
「・・・本当にごめんなさい」
私は、溢れる涙を堪えながら
抱きしめ続けた
大倉「でも、俺は・・・
そんなアンタを愛してるん」
私の目から涙が溢れていく
「・・・大倉さん」
大倉「俺、大きくなりたいなぁ・・・」
彼が私を抱きしめた
「・・・・そのままでいいです
私が変わらなきゃなんです」
私は彼の胸で自分の気持ちを伝えた
すると彼は
私の肩を掴んで
大倉「二人で変わりながら
進もうか?」
私は、静かに頷いた
彼はそんな私を嬉しそうに
抱きしめ続けていた
やっと、私は笑顔を取り戻したと
感じた
この幸せを
もう絶対に離さないと
心に決めたのだった