第13章 赤い夫とのアメリカ
私たちは無事にロサンゼルスにある空港へと降り立った。
『やっぱ綺麗やな……………』
私は空港の外へと出て、街を車で走っていた。
「これで2回目だね」
『そうだね。1回目は結婚式だったし』
「今回は観光しようか」
『仕事は?』
「さすがに全日仕事ではないよ。少し多めに日を取ってある」
『そうなんだ。さすが社長』
「社長の特権だ」
征十郎はシャンパンを片手に言った。
『これからどこ行くの?ホテル??』
「いや。父さんの会社だよ。あと泊まるのはホテルではなくて父さんの家だ」
『……………嘘でしょ』
「こんなときに冗談を言うと思うのかい?」
『全然心の準備ができてないんですけど』
「しょうがない。頑張るんだ」
波乱のアメリカ出張が幕を開けた。