第3章 赤い夫との会社
私は社内で1番人気のないところへ連れて行かれた。
『え。なに?』
トンッと壁に肩を押し当てられた。
『コーヒーは?』
「今からもらう」
それだけ言うと征十郎は私に唇を押し当ててきた。
『んっ』
いきなり当てられて閉まっていない私の口の中に征十郎の温かい舌が入ってきた。
『んっ…………ふっ……』
逃げようとすると捕まえられて口の中での鬼ごっこが始まった。舌を噛まれたり吸われたりして私の目はとろんとしてきた。
「コーヒーごちそうさま」
征十郎は妖艶な笑みをうかべ、ただそれだけ言って離すとともう一度私の手を握って来た道を戻った