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音符のみつけ方

第10章 エクストラワン


「と、言う訳で・・・じゃじゃーん!
あの子のLINKのID教えてもらったよー!!」

「・・・レイジ、五月蝿い」






寿に呼び出され、気まぐれで来てみれば見るからに馬鹿に嬉しそうな表情で宣言される。・・・まったく、騒々しい事この上ない。

早々に美風に注意されると寿は「めんごめんご〜」と平謝りをして自分のスマホを操作する。






「・・・つーか、結局会ってねえのかよ」

「会いに行こうとしたんだよ?
でも龍也先輩にストップかけられてさー・・・でも、早乙女学園の生徒って事は確定してるもんねっ☆」

「彼女、早乙女学園に在学中なんだけど・・・有名になりたくないんだってさ。勝手に自分の曲売ったりしたら即退学届け出すつもりらしいよ」

「・・・・・・有名になりたくない、だと?
ならばなぜアイドルを目指している。矛盾しているぞ」

「さあ。
詳しくはリュウヤも知らないみたいだよ」

「・・・意味解んねえ。
そいつのID手に入れたんなら、聞いてみりゃいいじゃねーか」






黒崎がそう聞けば、寿は「・・・聞いてみたんだけど、しつこいからブロックしていいですか?だってさ」と困った様に答えた。それは美風も同じようで、1度しか質問していないのにそう言われたらしい。
・・・おかしな女が居るものだな。






「・・・ちなみに、タイムラインで自分で作曲した曲を歌ってるのを投稿してるみたいだよ」

「そうそう!
ぼくも早速聞いてみたんだけど・・・これがどれもすっごくいい曲でさ〜」

「自分で・・・?
作詞作曲したやつをか?」

「うん。
早い時には1週間に3曲、遅くても1週間で1曲は投稿してるよ」

「・・・いくら何でも早すぎではないか?」

「放課後が終わったらずーっと曲作ってるみたいだよ?
早乙女学園には何してもいい自由日もあるし」

「・・・そいつってロック系も歌ってんのか?」

「ポップ系とかジャズ系・・・ロック系とか、幅広く歌ってるんだよ。
高いのから低いのまで歌ってるみたいだし・・・取り敢えず、2人にもID教えるよん!」






あまりにも楽しそうに言い張る寿に、呆れを通り越してその女に興味が湧いてきた。

・・・俺もアイドルと言う職業上、やはり気になってしまう。それは黒崎も同じらしく、寿にIDを聞いていた。


まあ、興味本位で聞いてやってもいいか。
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