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音符のみつけ方

第1章 ニューゲーム


side トキヤ


バタン、と音を立てて第2レコーディングルームの扉を閉める。

他の女子より明らかに普通の対応をしていた彼女が意外だった理由がやっと解った。





「……あの反応、本当に知らないようでしたね…」





HAYATO目当てに言い寄ってくる女子はいくらでも居ましたが、彼女のようにHAYATOを知らず増してや特に興味を示さない女性は想定外でした。





─『一ノ瀬…君?』

─『はやと?』

─『いや知らないけど』

「……、私とした事が…。
こうしてはいられませんね。早く曲の準備を………?」


……〜♬


自習を開始しようと、機械を操作し始めた時だった。





「……、?」





まだ曲を流してもいないのに、どこからかともなく緩やかなポップ調の音楽が流れてくる。


──僕のことはさて置き・・・・・・君のことが聞きたいんだ
色々あるんだホント──


一体どこから…と耳を澄ませてみればどうやら隣のレコーディングルームのようです。
恐らく学園長の抜け道からの音漏れでしょう。…後で指摘しておきましょうか。





「………確か、隣は第3レコーディングルームでしたよね」





ほんの興味本位のようなものでした。

気づけば私は考えるよりも先に、第2レコーディングルームを出て隣の第3レコーディングルームへと歩を進めていた。


がちゃ……


邪魔にならないように、そっと扉を開ければそれに気づいた日向先生と目が合う。





「あいつの曲に釣られたか、一ノ瀬?」

「……ではやはり、彼女の…?」

「ああ、東椰の歌だ」





歌い出しが近くなり、収録ブースに居た日向先生と月宮先生…そして私は自然とその音楽に耳を傾けていた。
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