第16章 フィーリング
『・・・・・・あれ、みんな???』
「「っ!!!?」」ビクッ)
遊園地から寮に帰って来たところで、偶然なのかばったり仮パのみんなと鉢合わせした。
私がきょとんとしていると、音也が気まずそうに切り出した。
「え・・・っと、あのさ。心羽・・・」
『ん?』
「その・・・今日、なんだけど」
『今日?』
「コノハ・・・。
今日は、デートをして来たのですか?」
そんな音也の言葉を引き継ぐように、セシルが本題を持ち出す。
心なしか暖かい目でこちらを見ているような気がする。
『デート・・・あー、まあね。
でも、恋愛的な意味でのデートじゃないよ』
「え・・・?
で、でも・・・」
『今日は、前から相談されてた事の返事を伝えに行ったんだよ。
あの人とはLINKで知り合いだったし、実際に何回か会ってたし』
「相談ね・・・。
でもあんた、いい雰囲気だったわよ〜?」
とともちーに何やらニヨニヨされながら肩を組まれる。
いい雰囲気?え、なんか見られてたような言い方・・・。
すると慌ててはるちーがともちーの言葉に重ねるように言う。
「え、えっと・・・そのっ。
私とトモちゃんも、早乙女キングダムに行ってたんです!授業も終わったから、遊びに行こうってなって・・・。
それで、その・・・・・・たまたま心羽ちゃんと一緒に居た人が、ほっぺキスされてたりハグされてる所を見たって言うか・・・」
あわあわしながらたどたどしく説明するはるちー。
いつにも増して可愛いなあ・・・と思いながら、この気まずい空気の理由を理解した。
『あー、それね・・・。
大丈夫だよ、あれはなんて言うか・・・不意打ち?』
「ふ、不意打ち!?
つまり無理矢理って事か!?」
『いやまあ無理矢理って言えばそうなのかもしれないけど・・・。
チケットを(不本意ながらに)買ってもらってたから、そのお礼・・・で合ってるのか解んないけど本名を教えてツーショット撮っただけだよ。まさかほっぺキスされるとは思ってなかったけど・・・』
「それじゃ・・・その後のハグはなんだったんだい?」
『あれは、私が勢いに任せてその人の事を褒めたら照れられちゃって。その照れ隠しみたいな』