第16章 フィーリング
side 嶺二
月曜日。
先週grayちゃんからLINKで『デート、しません?』ってメッセージが届いた。その日はちょうどミューちゃんと一緒の収録だから、楽屋で待機してたんだけど飲んでた烏龍茶を吹きかけた。吹きかけたって言うか、むせた。
ミューちゃんからは言わずもがな「・・・俺の衣装にかかっていたならばただでは済まなかったぞ」って絶対零度の睨みを利かせられた。・・・うん、かかってなくて本当に良かったと思うよ。うん。
メッセージを返信する間もなく収録に出て、収録が終わってすぐに「えっ、grayちゃんそれってどう言う意味っ!?」って聞けば返ってきたのは『あ、その・・・なんて言うか保留にしてた件について寿さんがオフの日にゆっくり相談したくてですね、はい』と言う返事。
保留にしてた件。多分、ぼく達のユニットについてだ。
「(・・・にしても、なーんでぼくちんだけ?
まあgrayちゃんからのお願いだし断る理由が無いけど・・・)
って・・・、えっ」
『お、おはよう・・・ございます。寿さん』
「・・・・・」
『先週、いきなりあんなメッセージ送るなんてビックリさせちゃいましたよね・・・。私も言い方かなり迷ったんですけど・・・月宮先生がどうしてもあれにしろって聞かなk「っか・・・可愛いッッ!!」・・・え?』
「うっわぁ、すっごい可愛いよ!
それって来年から始まる実写版オドロキマンのオリジナルヒロインの衣装だよね?!」
『え・・・、そーなんですか?
月宮先生が夜なべして作ったから絶対着てけって薦められたから着たんですけど・・・』
思ってもみなかったgrayちゃんの格好に、ぼくは柄にもなくテンションが急上昇した。いつもランランとかアイアイとかに「テンションうざい」って言われるけど、多分それ以上にテンション高くなってると思う。
ちなみにどんな格好かって言うと・・・白地に大小様々な水色の円が散らばってるワンピース、クリーム色で少し大きめの袖の長いパーカー。膝上まである薄いピンクのソックス。白いハイヒールには左右に黄色い星がついてる。
他のオドロキマンのキャラよりもシンプルなデザインがファンに受けて、かく言うぼくもオリジナルヒロインは好きなほうだ。