第3章 強制的同居生活
「んっ…ふ、ンンンッ」
反射的に抵抗しようと振り上げた腕は掴まれ、逆に口づけは密接になる。
背中から掬うように上唇を甘噛みされて、ゾクリと鈴花の背筋に甘い痺れが走った。
頬には朱が浮かび上がり、瞳は涙で潤む。
目敏くそれを間近から見つめていた虎之助は唇を僅かに離し、ニヤリとほくそ笑んだ。
「……エロい顔。誘ってんのか?」
「!! さ、誘ってなんかない!」
「ククッ、本当に強情な女だな。でも俺は嫌いじゃない。落とし甲斐があるからな」
「……っ」
キラリと獰猛に光る両の目。
舌舐めずりをする肉食動物を前にした、獲物の心境で。
今度は別の意味でゾクリと鈴花は身を震わせた。