第2章 初デート〜White Love〜
ーSide 高尾ー
ビルズのイルミネーションやそこから臨む夜景にはしゃぎ見入る夏美を愛しく思い、窓ガラスに張り付く彼女を包み込むように抱き締める。
夏美も拒否せず茶化すことなくそのまま俺に体を預けて甘い時を過ごした。
いやー、実に恋人らしいことができて非常に満足ですわ。それにイブを一緒に過ごせて最高によかったぜ。
そう思いながら帰路に着き、夏美を家の前まで送る。そしてお互いに別れが名残惜しくてしばらく見つめ合う。
冬の寒風が吹き夏美は肩を震えさせると、俺はあの時を思い出して風から守るように強く抱きしめる。
「…あったけーか?夏美?」
「…うん。とっても。ふふ、なんか告白してくれた時みたいだね。」
そう、あの時みたいに彼女は俺の胸元に顔を押し付けて抱きしめ返してくれた。
「…はは、そうだな。夏美。」
「なーに?」
名前を呼ぶと、彼女は微笑みながら俺を見上げる。
大きい目で見つめられるとそれだけでキスがしたくなり、彼女の両頬に手を添えた。
「…大好きだ。これからもずっと一緒にいような…。」
顔を近づけて甘い声で囁くと夏美も負けじと同じように囁いてきた。
「…もちろんだよ。…I do love you,my sweet darling.」
英語になったって事はきっと感情が抑えられない時だな。
そう思うと俺は優しく微笑んで英語で返す。
「…ミートゥー!マイハニー!」
ま、発音は不自然だけど、気持ちが伝わってくれればそれでいーや。それにこいつならきっとわかってくれるはず。
…向こうにも伝わったのか、お互い顔を近づけて、目を閉じ、唇を重ね合わせ、上唇を啄ばむ。
お互いに息が続くまで俺達はずっとそのままだった。
fin.