第14章 君への想いと花言葉
その頃、神楽は歌舞伎町の中でも来る人がそうそういない神社に来ていた。
「ハァハァ……ウッ」
ゴホゴホと咳き込んで、また綺麗な花を吐いてしまった。
「ハァハァ……」
神楽の目には涙がたくさん溜まっていた。
「……苦しいよ……」
その場に膝から崩れて、神楽は泣き出してしまった。ーー何故、こんなに苦しいのか。何故、こんなに辛いのか。全てはあの男が原因だとわかっているのに、銀時に話すこともできなかった。
「ウゥ……銀ちゃん、ごめんね……」
(銀ちゃんに話すことができなくて……)
泣いている神楽の後ろから、1人の男が声をかけた。
「……おい、どうしたんでィ?」
その声が聞こえた時、神楽は振り返らなくても後ろに誰がいるかわかった。
「……サ……ド?」
神楽は涙で濡れた顔を沖田に向けた。
沖田はその顔を見て驚いた。
「……お前、どうしたんでィ?」
「えっと……」
神楽は俯いた。
(言えない……)
そう思っていると、また喉の奥が苦しくなって咳き込んでしまった。
「ゴホッゴホッ」
「おい」
神楽はまた、花を吐いてしまった。
「……お前、もしかして花吐き病ですかィ?」
ビクッと体を震えさせて、神楽は反応した。