第4章 九尾襲来の日。それから。
わたしは、1歳になって留守番をするようになってから、こんなふうに、毎日くだらないことを考えて過ごしていた。
アドさんに、「忍界大戦を止める」と約束はしたが、やる気が起きなくて、それをするための行動も、思考もしていない。
・・・今思ったけど、この約束、破ったらどうなるんだろう。
アドさんは明日死ぬ、とかいってたからもうこの世にはいないだろう。
そして、寿命を延ばしておく、ともいっていた。
てことは。
約束破っても寿命伸びたままなんじゃない?
・・・・それが間違ってたら大変だから、破ろうとは思わないけど。
こういうとき思う。
生まれ変わって一番鍛えられたのは、思考力だなって。
なんてことはどうでもいいね。
思考を打ち切ってあたりを見渡せば、部屋に黄色い光が差し込んでいた。
いつのまにか夕方になっていたようだった。
両親はまだ帰ってこない。
きっとそろそろ帰ってくるだろう。
いつも夕方頃に帰ってくるから。
例外として、昼に帰ってくることもあるが、それはまれ。
いつものように、思考で時間を消費したわたしは、いつものように、ぼーっとして二人の帰りを待った。
ーーーーーーーしかし。
二人は、それから帰ってくることはなかった。