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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第60章 恋人達は愛に誓いを


「あ、君が黄瀬君の専属トレーナー? 声掠れてるけど大丈夫?」

枕サンだかマクセサンだかなんだかもうどうでもいいけど、一直線にみわへ向かって行く。

なんでだよ。
他にもマネージャー、いっぱいいるだろ、ほら。

「おはようございます。神崎です。
すみません、……ちょっと声が嗄れてしまって。あの、専属トレーナーというのは……?」

みわは丁寧にお辞儀をして挨拶した。

「アレッ、間違えた? 雰囲気がそうかと思ったんだけど……黄瀬君のトレーニングメニューを作ってるのは、君じゃない?」

「あ、私です」

「だろ? ビンゴ!」

マクセサンは嬉しそうにみわの肩を抱いた。

「えっ、あの、ちょっと」

「オレね、マクセって言うの、よろしくね。
この間黄瀬君に名刺預けておいたんだけど、気が向かなかったかな?」

「あ、…………すみません、なかなかタイミングが分からなくて……」

なんでオレを庇うんスか。
オレから受け取ってないって、言ってよ。

「いつでもいいよ、可愛い子の相談なら24時間受付しちゃうから」

「あ、ありがとうございます……」

困ってんだろ。
触んなよ。
触んじゃねーよ。

「みわ!」

ふたりに駆け寄って、みわの手を引いた。

「みわ、テーピングお願い」

「あ、はいはいっ! マクセさん、すみません」

ぺこぺこと謝ってみわはオレの元へやってきた。

「もー黄瀬くん、あんな風にしたら失礼じゃない」

様々なサイズのテープが入っているプラスチックのケースを持ってきて、オレの足を触りながらぶーぶー文句を言っている。

「涼太って呼んでよ、みわ」

「……え?」

「学校でも、涼太って呼んで」

「え、それは……やっぱり学校では、皆と一緒にした方がいいかなって……」

「一緒じゃなくていいじゃん。
みわはオレの特別なんだから、涼太って呼ぶのが普通じゃないスか?」

そしたら、変な虫もつかなくなるだろう。

そう思ったのに、結局みわは首を縦に振らなかった。



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