第1章 ダイヤのA 御幸一也
どれだけ涙を流しても、私の目から涙が止まることはなかった
そんな時
「っ!!」
雨の中、私を呼ぶ一也の声が聞こえた
私は亮介先輩から離れて顔を上げた
「一也・・・・」
一也は傘もささず、ずぶ濡れで息を切らしながら私を見ていた
あんなに息切らせて・・・・・
走って私のこと探してくれてたの?
小湊亮「何の用?御幸」
御幸「亮さん・・・すみません。俺、ずっと遠慮してました。それに、逃げてました。けど、もうやめることにします!だからそいつのこと・・・・返してもらっていいですか」
「え・・・?私?」
返してもらってってどういうこと・・・・?
一也と亮介先輩が何のことを話しているのかわからず、少し困惑した
小湊亮「こんなに泣いてる見て、俺が黙ってると思う?」
御幸「思ってませんよ。が泣いてるのは俺のせいです。けど・・・俺はまだそいつに何も伝えてないんすよ!だから・・・・・。今ここで伝える」
「えっ、な、何を・・・?」
まだ心の準備ができてない
何を言われるのかわからなくて・・・聞くのが怖い
御幸「俺・・・」
聞きたくない!
私は怖くてギュッと目を閉じた