第2章 今宵月が見えずとも
「あぁっ……ダメッそこは……あぁっ」
「ダメじゃなくてイイんだろう?」
グリグリとそこを攻めるとまた一段と嬌声が高くなる。
「あぁっ、あぁん、あっ、あっ、あっ、あぁーーっっ‼︎」
彼女の身体から力が抜ける。オレは指を抜くと脇に置かれていた小箱へと手を伸ばす。中身を取り出すと、さっきからいきり立っている自身に被せた。彼女はまだ肩で息をしていた。その耳元で引低く囁く。
「気持ち良かったかい?今度はオレも気持ち良くしてくれるかな?」
「待って、辰也……んっ」
彼女の唇をキスで塞ぐと、一気に中へと自身を突き立てる。気を抜くとすぐにイッてしまいそうになるほど、彼女の中は気持ち良かった。
「動くよ……」
「あぁっ、あっ、あっ、あんっ、あっ、あっ、あっ」
初めはゆっくりと、けれど次第に早くなる律動。いつの間にか背中へ回されていた彼女の手が爪を立てる。その爪が赤く滲む証をオレの背中へ刻む頃、彼女の一際高い嬌声と共にオレは白濁の欲を吐き出した。