第2章 別れと出会い
朝がやって来た。
近界での最後になるであろう朝が。
私達は早速先行部隊の元へ向かったのだけど、
現実はそう甘くはない。
予想を上回る数のトリオン兵。しかもその中には見慣れないトリオン兵も存在した。
私達は未知のトリオン兵を前に怯え、影からその戦闘の様子を伺った。
しかし戦闘を見る前から、私には視えていた。
戦闘用トリオン兵であるモールモッドや、砲撃用のバンダーなどとは桁違いだと。
「なんだよあれ。装甲硬過ぎだろ。」
「腕力だって凄い。何あのパワー。」
それはみんなの反応を聞いても同じ解釈が聞こえてきた。
そして何より、
「取り込まれた…の?」
新型トリオン兵の相手をしていた1人のトリガー使いが、トリオン兵の中に格納されていった。
その衝撃は大きかった。
何故私達元玄界の兵だけがこの場に出動をかけられたのか、理由は明白だった。
"逃げられない"