知らない世界へ飛ばされたらゴンという少年に助けられた訳だが。
第4章 まくら投げをしよう!
いつの間にか三人とも疲れて眠ってしまっていた。
静かな部屋に時計の針の音、
それと微かに寝息だけが聞こえた。
『……ん…』
愛莉がむくりと起き上がる。
『(トイレ…行きたい…)』
このホテルの部屋にはトイレがついておらず、
それぞれの階の廊下にトイレがある。
『(暗い…怖い…)』
部屋のドアを少しだけ開けて様子を伺う。
しかし先には暗闇が広がっていて、
不気味な雰囲気を醸し出していた。
『ゴン…起きて~…』
キルアが起きないようになるべく小声でゴンを揺する。
『う~ん…もう食べらんないよォ…』
『(使い古されすぎて逆に新しい寝言だ…)』
『愛莉、どしたの。』
キルアがむくりと起き上がった。
『あ…ごめんね、起こしちゃったね』
『そんな事よりどしたの』
キルアが眠たそうに目をこする。
『あの…その…』
愛莉がモジモジしながら下を向く。
『…?』
『ト…トイレ…ついてきて下さい…』
『…へ?』
『暗いのとか苦手で…ほんとに…』
キルアがふっと笑った。
『愛莉って意外と子供っぽいのな!』
『こればっかりは昔からどうにもならなくて…』
完全に目が覚めてしまった二人は、
部屋を出て暗闇が広がる廊下へ歩き出した。
続く