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日常から非日常へ 【薄桜鬼】

第12章 屯所移転計画


しばらくの沈黙。そして伊東さんの

「西本願寺でよろしいじゃありませんか。屯所としての立地条件もいいですし、我々が寺を拠点とすることで長州封じにもなりますわ。」

と、地図の上の西本願寺を指差し提案。この言葉に一君が

「…確かに長州は身を隠す場所をひとつ失うことになる。」


このあと、左之さんと新八さんが言い合い、近藤さんも、また考え込んでいしまうわで、再び沈黙が流れた。

そんな中、障子が開き、人数分のお茶を載せたお盆を手に、千鶴ちゃんがそっと入ってきた。
土方さんの前にお茶の入った湯のみを置いたとき、山南さんが険しい表情で、

「…正義を欠いた大義など、いずれほころびが出ます。」

「山南さんは相変わらず、大変に考えの深い方ですわねぇ。」

でも、山南さんは何も言わなかった。千鶴ちゃんは幹部ひとりひとりにお茶を配っていき、最後の一つを俺の前に置く。

「その左腕は使い物にならないそうですが…。剣客としては生きていけずとも、お気になさることはありませんわ。山南さんはその才覚と深慮で、新選組を充分に助けてくれそうですもの。」
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