第12章 譲らない!
国見は髪を乾かしながら
「そういえば、傘は持ってきてないの?」
葵に聞いた。
「うん。雨降るなんて知らなかったし、置き傘してないから雨止むまで待たないとなの。」
葵は少し困った顔をした。
「じゃあ一緒に入ってく?傘持たされたんだ。駅まで送ってくし。」
「本当!?いいの?」
葵はパッと後ろを向くと国見の顔が近く更に目が合ってしまい
「ごっ……ごめんなさい!」
すぐに俯き、顔を赤くした。
「澤村さん?何で謝るの?」
「だっ…だって顔近かったし……急に振り向いた私がいけなかったんだもん。」
葵はまだ赤い顔をしていた。