第5章 許されざる者 @ 孤爪研磨×β
「遙…クロ…何してるの…」
「!!…研磨…。」
研磨の気配に気づいた黒尾は、遙と肉体的に繋がっていて。
生々しい光景が研磨の混乱を煽る。
「どういうことなの…?」
「研磨、違う、これは仕方なく…」
「仕方ないって何なの?」
研磨の声色は驚くほど低かった。
こんな声自分でも聞いたことがない。
クロは気まずそうな顔をして目をそらす。
『研磨…ごめん、わたしが頼んだの、発情期、抑えられなかったの…。』
「…なんでクロには言って俺には言わなかったの。」
『研磨に…迷惑かけたくなかったの…』
「迷惑かけたくなかったからクロと2人で秘密共有してるわけ?何それ、俺除け者だね。」
『ちがっ…研磨…!』
そう言い残して、研磨は黒尾に箱に入ったアップルパイを投げつけて家を飛び出した。