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第22章 chapter3 ④ 2度目のリスタート


『………。』
狛枝くんの顔色はすっごく悪かった。
冷たい水にタオルを浸し、軽く絞って狛枝くんの額に乗せ直す。
月明かりがカーテンの隙間から覗き、暗いはずの部屋は薄ぼんやりと明るかった。
罪木さん、今までずっと3人を看病してたんだな……。
きっと疲れてるはず。以前はみんな、罪木さんに任せっきりだった。
でも今回は違うんだ。大丈夫、私が何とかしてみせる。
「……うぅ………」
静かな部屋で狛枝くんの微かな呻き声が耳に入る。
『……ごめんね、苦しいよね。』
モノクマを阻止できなくて、ごめん。
少しぬるくなりかけたタオルをまた絞り直す。
辛そうな表情が何だか可哀想に思えて、ゆっくりそっと狛枝くんの頭を撫でた。
辛いの辛いの飛んでいけー……なんてね。
少しは楽になってくれたらいいんだけどな。
「……希灯、サ………?」
ふと、狛枝くんが薄目を開けて、苦しそうに私を見た。
『……うん、私だよ。』
出来る限り自然な笑みで返す。
そしたら狛枝くんは微かに左手を動かした。
「手ぇ……にぎら、ない……で、よね…………」
……えーっと、狛枝くんは「嘘つき病」だから、つまり。
『……わかった。おやすみ、狛枝くん。』
狛枝くんの左手を軽く握ると、狛枝くんはまた目を閉じた。
………あ、他の2人は大丈夫なのかな。
もしかしたら狛枝くんみたいに症状が悪化してるかもしれない。
そう思って座っていたパイプ椅子から立ち上がろうとしたけど、ダメだった。
手が離れない……思いの外、強く握り返されたっぽい。
あーあ……これじゃあ当分身動き取れないな。
私は溜め息混じりに繋がれた手を見つめた。
白くて長い、ちょっと骨っぽい指だなぁ。
片手が塞がったんじゃあタオル絞るのも難しいけど、そこは何とか頑張るしかない。
『(………何はともあれ)。』
無事に戻ることが出来て良かった。
空いた方の手で首筋を撫でる。
傷はない。痛みもない。でもナイフを引いた時の感覚は残ってる。
リスタートの条件と言えど、やっぱりキツイな。
「自殺」が条件だなんて、我ながら馬鹿だよなぁ。
自分で自分を殺すことと、あとは他人を私が殺しちゃいけないこと。
その2つがリスタートの条件。
初めてのやつ……痛かったな。
裁ち鋏で心臓を貫くだなんて、もう一生やりたくないよ。
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