第13章 ★狂い出す歯車★
〔白崎零蘭〕
白銀監督が倒れた....
元々体の調子が悪いのは知っていたけど..
まさか
更に同じ頃、三年生達が引退した
もう練習場に修さん達は来ない
それは私にとっても、皆にとっても少し物足りなさを感じるのには充分だった
そんなある日、練習であの出来事が起こった
それは私にとって一番苦しい事だった
敦がマークの外れていた征十郎に何故かパスを出さなかった
それがことの始まりだった
当然征十郎は自分にパスを出した方が効率がよかったと指摘する
だが才能の開花による自分の力を過信する敦はそれを否定する
まるで、大輝のように...
恐ろしいとおもってしまうほどに強くなってしまった
その恐怖をさつきも感じたのか私のジャージの袖を掴む
私はただ、その手を黙って握りしめるしかできなかった
才能の開花は真太郎も同様だった
コートの端から端までシュートを決めたところを見てしまった
『真太郎...』
緑間『零蘭....見ていろ、このシュートでお前に勝利の景色をずっと見させてやる』
何かが壊れていく....
帰り道、今日は敦と一緒に帰った
『ねぇ、敦』
紫原『白ちん、俺さ力が湧いて仕方ないんだよね...これなら誰にも負けない自信がある。白ちんにずっと勝利を捧げてみせるからね、見ててよ』
『っ....うん...』
コワイ....
同じようなこと言う彼等が
私のせいなのかな....?
私が勝利を願ったから、みんな....