第1章 初対面
ジャーファルが大声をあげたせいか、俺とジャーファルが口論していたせいか・・・
「んむ・・・。」
と、幼い声が部屋に響いた。
と同時に、少女は上半身を起こした。
シン「や、やぁすまない・・・起こしてしまったようだね・・。;;」
俺がそう声を掛けるとようやく少女はこちらを向いた。
「・・・?だれ・・・?」
少女の目は俺と同じ、金色の瞳だった。俺よりも澄んでいる。
ジャ「失礼ですが・・・貴女のご両親は?」
ジャーファルがベッドの端に座り、少女と目線を合わせて質問する。
「死んだみたい。」
と、一言そう述べた。
ジャ「・・・死んだみたい、という事は貴女はご両親の最後には居合わせなかったn」
シン「ジャーファル!!」
俺は、直観的にその質問をしてはいけないと思った。そうしなければ、俺が堪えられなくなると思った。
でも、少し遅かった。
「・・・母親の最後なら、あなたたちの方がよく知ってるんじゃないんですか?」
ジャ「・・・え・・?」
壁際の端にいた少女はおもむろに立ち上がって、
「私のお母さん、此処で寝てたの。」
そう言って、少女はベッドの真ん中に枕を抱き抱えたまま座り込んだ。
あぁ、やはり嫌な予感が当たってしまった。
シン「・・・マリアの・・子なのか・・・。」
ジャ「し、失礼ですが・・・父親の名は、ご存じで?」
恐る恐る聞くジャーファル。
「・・・ん。」
少女の指差した先にいたのは・・・
シン「・・・俺?」
俺だった。