第20章 債務者と書いてカモと読む
達が寝てしまった部屋で、一人頭を抱える俺。
時刻は午後十一時。
今日は冷えるため、ベランダで煙草を吸うには少し堪える。
全ては身から出たサビ。
そう言われれば反論のしようがないが、騙した奴に問題がある。
何故なら俺は、
"女優が似の激しいDVD"
そう聞いて"三千円"で買ったのだから。
なのにフタを開ければ、ババアのおげれつDVD。
映像を思い出しただけで吐き気がする。
製作会社もなんであんなものを作ろうと考えたのだろうか。
あんなの、一部のマニアかジジイしか買わねーよ。
しかし、それを持ってる翔っていったい……。
思わず身震いした。
とにかく、納得いかないものは納得いかない。
とりあえず翔に電話する必要がある。
といっても、ここじゃ無理だ。
しかたなく、本当にしかたなく、隣の部屋に入った。